デジタルミニマリズム

  • クラウドストレージ脱却物語

    写真や動画が増えて、Apple iCloudのストレージは足りなくなる。

    「もう容量アップグレードでお金を払いたくない!」という強い声が聞こえる。

    無料の5ギガは一瞬で埋まり、50GBにアップグレードして月額150円になる。しばらくして足りなくなり、200GBで450円になる。新しいスマホに乗り換えるも、データを引き継いで当然足りず、2TBにして1500円になる。

    もう面倒だから、6Tを飛ばして、月額9000円を払って最大の12Tを手にいれるストレージセレブも、この世界で増えている。なってみてぇ、ストレージセレブに。

    このようなストレージ問題は、Appleだけでなくあらゆるクラウド系サービスで起こっている。

    現実的に2Tだと余裕がありそうだが、年間18000円を払い続けることになる。東京から福岡までの片道エコノミークラスのチケットが買える。ストレージセレブは、データ量について何も考えなくてよい代わりに、年間108,000円を失う。

    お金よりも愛、愛よりも時間、そして何よりもデータ量を愛するストレージセレブなら年間10万円を失うことは全く痛くないだろう。

    しかし、その10万円を年利7%のインデックスファンドに投資すれば、10年後には197000円になる。毎年10万円を元本として追加するなら(ストレージ年額払いはこちらに近い)、10年後には、147万円になる。これは決して小さくない。

    ストレージへの課金をちょっと節約するだけで、資産形成、子供の学費や、人生が楽しくなる他のことに、お金を使えそうだ。

    だが、ストレージを節約することは、データを保存できないことを意味する。つまり、現在の思い出を保存できないということであり、大切な人との今を残せないことにもなるかもしれない。撮られた写真は全て過去である。過去を思い出すために、現在を保存する。それは未来のためか。あるいは、過去を保存することを辞めて、今をただ生きるか。このあたりを考えるとまた別の問題に派生しそうなので、ここらで止めておく。

    2Tで月額1500円を支払うとして、年額18000円になったあたりから、多くの人はこう考えるようになる。

    「18000円の、2T外付けSSDをひとつ買えば済む話しではないか。」

    確かに、外付けSSDなら1度買えばそれで終わり。クラウドストレージのように永遠に課金され続けることはなくなる。ミニマリスト的には、物理的なモノが増えるのがちょっと嫌だけど、でもそれで毎月のサブスクが一つ無くなるのなら、許してやるか。そんな気持ちにもなる。

    ざっくり言えば、そのようなプロセスで、僕のクラウドストレージからの脱却物語は始まった。

    その経緯は過去にもJournalで書いている。昨年2025年の3月と5月に以下のようなことを考えてきた。

    クラウドストレージ課金からの離脱、ミニマルな写真整理術(3月)

    脱クラウドストレージ – 写真整理と管理のミニマル化(5月)

    ここでの思考は、以下の流れで止まっていた。

    1、SSDへのデータコピー完了
    2、Lightroomの解約
    3、Photosで直近必要なプロジェクトの立ち上げ
    4、iCloudを使うのか、ローカルでPhotosを操作か。新環境での効率的な「撮る→編集→アウトプット→アーカイブ」ワークフローの考察、構築が必要。

    1年ほど経って、ワークフローも固まったので、その現在地を記しておきたい。

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  • デジタルミニマリズム 2026

    デジタルミニマリズムについて考えている。考えて実践しているのに、気づけばスマホ内のアプリは散らかり、PCの中も煩雑になり、頭の中も整理されない状態が続く。だから定期的に見直して、整えることが必要になる。

    スクリーンを見る時間が増えると、幸福度が下がるという研究がある。逆に言えば、スクリーンを見る時間を減らせば、誰でも幸福度を上げられるということだ。お金を稼ぐよりも、節約して支出を減らし可処分所得を増やすほうが簡単だと言われたりする。スクリーンタイムを減らして得られる幸福は、それに似ている。根本的に、ミニマリズム思想と相性がいい。

    ただ減らすだけ。簡単なように思える。だが、これがいかに難しいことか!

    まず、スクリーンを見る時間を減らせないのは、設計と環境に問題がある。

    スマホやアプリは、使用者の滞在時間を長く伸ばすために設計されている。それも世界トップに頭のいい技術者たちが、考えに考えてそのような設計をしている。普通に使っていて、その罠から逃れることができないのは当然だ。誰もが「気づいたときには…」という状態になっている。

    先月、米国カリフォルニアで、SNSを使用して鬱になったとして、メタとGoogleを訴えたニュースがあった。原告は陪審員に支持され、企業側はその責任を認めた。米国でこのような訴訟は2000件を超えている。

    現代の問題の多くは、人間の脳を巧みにハックすることにより起こっている。情報過多により、いつも脳疲労がある状態。それによる睡眠不足。そして身体的不調へと連鎖する。このようなスマホやアプリの設計は、人の習慣や構造に関わる、数ある問題のうちのひとつにすぎない。

    ジャンクフード、クリックだけを誘うニュース、簡単に見られる無限のポルノ、終わりのないゲーム、市販で手に入る依存的なドラッグ。すべて安価で、過剰で、即時的な刺激を生み出すものだ。これらがドーパミンレベルを狂わせ、最初は少ない量で効いていたものの、足りなくなり、もっと多量を求めていくようになる。その結果がスマホを見続ける無限スクロールだったり、カロリーオーバーによる肥満や病気だったり、精神的な破滅だったりする。

    アプリケーションやデバイスにそのような設計がなされているのなら、逆にその仕組みをハックして、依存を避ける新たな環境を構築する必要がある。正常で静かな環境を取り戻すことができれば、集中力と創造力が高まり、自分のやりたいことが深まっていく。この考えが、デジタルミニマリズムの根底にある。

    2026年版、僕のデジタルミニマリズムのアップデートを共有する。

    メニューは以下の通り

    1. Light Phone的iPhone設定
    2. 入れているアプリの全て
    3. MacBookのデジタルミニマリズム

    実際使用してるiPhoneやMacを例にしているが、方法と考え方はAndroidやあらゆるPCで使える。あなたの使用状況に合わせて、使えそうなところを使ってもらえると嬉しい。

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  • 抹茶を点てて、タイムラインを立てる

    午後三時四十分。抹茶を点てて、ダークチョコをひとかけだけ口に入れる。こういう時間があるだけで、一日の輪郭が戻ってくる。最近のチョコレートは驚くほど高い。価格の変化は、派手なニュースよりも先に、生活の端から世界の気配を運んでくる。

    抹茶もファイヤーキングのマグで飲んでいる。沸騰させない温度の湯を注ぐ。400FDを火にかけたら、気泡がぷつぷつと立ち始めるあたりで止める。70度から80度くらいの、ぎりぎり熱いけれど尖っていない温度。抹茶は本来もっと少量で濃く仕上げるものだが、一杯をネスカフェのように飲みたい。香り高く、シャキッと冴えるのにどこか落ち着く。カフェインとテアニンの効用か、あるいはただの気のせいかもしれない。

    今日はXを始めた話し。

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  • Mac OSでの最小限で効果的なセキュリティ設定 [デジタルミニマリズム]

    私の生産性ツールであるWorkflowyをEmacsに移行しているという話を最近書いてきました。それはなかなか骨の折れる作業です。朝4:45に起きて、英語の勉強を15分間して、顔を洗って5時からの15分間は、タスク出しと同時に、WorkflowyのノードをEmacsに引っ越しすることに充てています。このルーティンを繰り返して1週間ほどたちますが、ようやく完全移行の兆しが見えてきました。しかし油断は禁物です。

    書くツールについて考えることが、再びデジタルミニリズムとセキュリティの課題に繋がりました。

    現在メインで使用しているツールはEmacsとApple Notesです。ツールについてはまた別の機会で詳しく書きたいと思っていますが、Apple Notesは、純正ソフトでデバイス間のシンクがとてもスムースであるため、iPhoneで簡単なメモをとるのに欠かせません。これまでNotionやObsidianやEvernoteなど多くのメモアプリを使ってきましたが、結局シンプルでミニマルで安定感のあるApple Notesに戻るということになっています。

    Notesの使い勝手があまりにも良いため、重要な情報をちょっとここに置いておくということがありました。これをきちんと、セキュリティを高めて整理したいという思いが、今回の設定に至るモチベーションになりました。改めて、Mac OS環境で、最低限のセキュリティを確保しながら、ファイル管理を同時にミニマルにしていくという試みです。

    Notesのセキュリティ自体はさほど弱くはありません。iCloudのAdvanced Data ProtectionをONにしておけば、Notes自体がiCloud上でE2EE化されます。Notesにロック機能がいつの間にか付いていますが、これは単体のNotesを暗号化するという点で、ADPをかけることと同じ意味になります。iPhoneでは顔認証を用いたロック解除になるので、公共の場でまわりに見られたくないというような時は少しは役に立つかもしれません。

    現在の私のNotesの画面と、今回行ったセキュリティ強化の項目を記します。(セキュリティの関係で誰にも共通するMac OSの事柄に絞ります)

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  • 2025/03/23

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  • ニューミニマリズム

    旅から戻り、SNSのアカウントをほぼ全て削除した。Instagramだけが残った。

    何かの契機になるような旅が、5年に一度くらいある。隠岐島は自分にとってそのような旅だったのではないかと思う。旅のあいだ、特に何かが起こったわけではない。もちろん小さなトラブルはあった。天気も芳しくなかった。あるいはそのような些細なことが積み重なって、SNSを手放す決心がついたのかもしれない。

    この感覚は、ミニマリズムに初めて出会った時の感覚に近いものがある。東京都心から少し離れたところに暮らしながら、フォトグラファーとして撮影仕事だけをしていた頃。これまでの人生でおそらく最も多忙だった時。その時も、山梨と長野の堺にある、人里離れた場所を訪れた。そこには僕の叔母が営む蕎麦屋があった。店に面した道路は車が通ることはなかったが、いつも予約客でいっぱいだった。一日に限定で20組ほどの客を取り、早朝に叔父が打った蕎麦が無くなると営業を終了した。

    その旅から戻った時、東京の家にある全てのものがゴミのように思えた。何かが終わり、何かが始まる新しい感覚だった。帰ったその日か翌日かは覚えていないが、立ち寄った駅ビルにある大きな書店で、偶然、ジョシュア&ライアンの「minimalism ~30歳からはじめるミニマル・ライフ」を手に取った。僕はちょうど30歳になろうとしていた。

    そのような過去の記憶がぼんやりと立ち現れてくる。隠岐島での滞在が長くて、濃すぎたのかもしれない。空っぽのホワイトボックスに戻ると安心した。また自分の好きなタイミングで起きて、ヨガをして、走れることが嬉しかった。ネスカフェを飲みたいと切に思った。

    東京に戻ったその日の夜、何かに取り憑かれたように、SNSのアカウント削除にとりかかった。

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