AGI

  • AGIという名の、静かな締め切り

    Anthropicのダリオ・アモデイは、2026年から2027年にかけてAGI(汎用人工知能)に相当するAIが登場する可能性があると公言している。MicrosoftのAI部門を率いるムスタファ・スレイマンは、これから12〜18ヶ月以内にほとんどのホワイトカラー職でAIが人間レベルのパフォーマンスに達すると述べた。イーロン・マスクは2026年と言い切っている。

    これらをCEOたちの楽観論と聞き流すことはできなくもないが、予測市場プラットフォームMetaculusでは2029年までのAGI到達確率を25%、2033年までには50%と見積もっており、この数字はわずか数年前と比べて劇的に前倒しになっている。DeepMindのデミス・ハサビスでさえ、2030年代内での実現に50%の確率を置いている。

    誰の数字を選ぶかは大きな問題ではない。重要なのは、この議論が「もしそうなったら」から「いつそうなるか」に完全に変わったのが、ほんのここ数年のことだという事実だ。

    皆んなよく意見をコロコロ変えるなぁ、で、結局いつ来るの?と多くの人は思っていて、僕もその一人だった。しかし、確実にその予測は早まっており、実際に僕たちが使う身近なLLMの進化速度は、多くの人が肌感として感じていることだろう。

    ポイントは、僕たちが「AI」と言う時、それは基本的にChatGPTやGeminiのようなテキスト対話型のLLMを差しているであり、テーマとして出ているAGIやASIの議論においては、それはとても表面的なものにすぎないということだ。

    2020年の時点で、研究者たちの中央値予測は「50年後」だった。それが今や、業界のリーダーたちのほぼ全員が「今年か、来年か、あるいは数年以内」と語っている。AGIを超えた先のASI(超知能)については、AGIが実現してAIが自己改善のループに入ったとき、移行がどれほどの速度で起きるかは現時点では予測できない。ただ一点だけ確かなのは、そこへ向かう道が今、静かに舗装されつつあるということだ。

    こういう話を読むと「それは遠い未来の話だ」と感じる人もいるだろう。だが、現在進行形でクリエイティブな仕事の周辺で起きていることを直視すれば、その感覚は少しずつ揺らいでくるはずだ。

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