Tokimaru
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ニューミニマリズム
旅から戻り、SNSのアカウントをほぼ全て削除した。Instagramだけが残った。
何かの契機になるような旅が、5年に一度くらいある。隠岐島は自分にとってそのような旅だったのではないかと思う。旅のあいだ、特に何かが起こったわけではない。もちろん小さなトラブルはあった。天気も芳しくなかった。あるいはそのような些細なことが積み重なって、SNSを手放す決心がついたのかもしれない。
この感覚は、ミニマリズムに初めて出会った時の感覚に近いものがある。東京都心から少し離れたところに暮らしながら、フォトグラファーとして撮影仕事だけをしていた頃。これまでの人生でおそらく最も多忙だった時。その時も、山梨と長野の堺にある、人里離れた場所を訪れた。そこには僕の叔母が営む蕎麦屋があった。店に面した道路は車が通ることはなかったが、いつも予約客でいっぱいだった。一日に限定で20組ほどの客を取り、早朝に叔父が打った蕎麦が無くなると営業を終了した。
その旅から戻った時、東京の家にある全てのものがゴミのように思えた。何かが終わり、何かが始まる新しい感覚だった。帰ったその日か翌日かは覚えていないが、立ち寄った駅ビルにある大きな書店で、偶然、ジョシュア&ライアンの「minimalism ~30歳からはじめるミニマル・ライフ」を手に取った。僕はちょうど30歳になろうとしていた。
そのような過去の記憶がぼんやりと立ち現れてくる。隠岐島での滞在が長くて、濃すぎたのかもしれない。空っぽのホワイトボックスに戻ると安心した。また自分の好きなタイミングで起きて、ヨガをして、走れることが嬉しかった。ネスカフェを飲みたいと切に思った。
東京に戻ったその日の夜、何かに取り憑かれたように、SNSのアカウント削除にとりかかった。
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Discord参加方法
みなさんこんにちは。
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減らしすぎてはいけない
3 Line Status
- Current Location: Tokyo
- Reading: 人にはどれだけの物が必要か by 鈴木 孝夫
- Listening: 重てえ by Yuki Chiba
Quick Notes
- New Work: エクストリームミニマリズムでFIREをデザインする
- YouTube Membership:
YouTubeメンバーシップを再開しました。月1回の限定ライブセッションにぜひご参加ください。過去のアーカイブ動画も全て視聴できます。
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- 余ったお金をとりあえずNISAに入れるのはなぜ危険なのか
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減らしすぎてはいけない
ものが少なくなった今では、ものをたくさん持っていた時のことをうまく思い出せない。
就職なんて最初からするつもりはなかったが、なんとなく受かってしまい、なんとなく上京して一人暮らしを始めた時、金は全然なかった。しかし、将来への不安もなかった。それが20代という奇跡的な時代なのだろう。給与からどういう税金が天引きされているのかも知らずに、とりあえず入ってきた金は全て使っていたように思う。
上京した時の持ち物は、割と少なかった。布団一式と、最低限のキッチン用品、そしてマーシャルのアンプとフェンダーのストラトキャスターだった。モノの数は少なかったものの、楽器のせいで重量はあった。気分は完全にイングヴェイマルムスティーンだった。