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器用貧乏の人にYouTubeが向いている理由
「器用貧乏」(きようびんぼう)という言葉があります。これは、様々な分野で一定の能力を持ちながら、どれも完璧ではない状態を指します。しかし、この特性は実は強みになり得るのです。特に、YouTubeというプラットフォームでは、この多才さが大きな武器になります。
私自身、この特性を持っていると自覚しています。そして最近、YouTubeはまさに器用貧乏の人に最適なプラットフォームではないかと気づきました。
YouTubeについて専門家として語れるほどではありませんが、一発信者として様々な経験を重ねてきました。最近は視聴者やCoreメンバーから、YouTubeに関する相談や質問を多くいただきます。「動画編集ができない」「撮影に自信がない」「顔出ししたくない」「喋るのが苦手」など、様々な不安の声を耳にします。
確かに、これらの不安は実は必要以上に大きいかもしれません。なぜなら、YouTubeは総合的な表現の場だからです。総合的なプロダクション力が求められると言えます。
成功するために、何か一つを極める必要はありません。その代わり、企画、撮影、編集、プロデュース、出演、演出、喋り、構成を自ら行う必要があります。さらにマーケティング目線では、マーケットリサーチ、サムネイルデザイン、タイトルのコピーライティングなど、多くの要素があります。
もちろん、これら全てを1人で完璧にこなす必要はありません。むしろ、自分の得意分野を活かしながら、必要な部分だけを学んでいく方が効率的です。何か得意なこと、好きなことが一つでもある人は、それから派生的に他の技術を習得できます。
YouTube制作の構造は、テレビや広告業界に似ています。各分野のスペシャリストが集まって作るのが一般的な現場ですが、YouTubeは個人こそが活躍できる場でした。でした、と過去形なのは、現在はYouTubeの中に個人とオールドメディア的制作が混在する状況になっているからです。
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ミニマリストにおすすめの副業5選
今回は動画でテーマとして取り上げた、おすすめの副業を5つ深掘りします。(YouTubeは今週末公開予定です。)
何か副業を始めようと思った時、自分は「何も持っていない」と感じることがあるかもしれない。お金もない、機材もない、スキルも自信もない。だけど、だからこそ、ミニマリスト的な発想が生きてきます。
何も持っていない、と言うとネガティブに聞こえるかもしれませんが、まず持たないということは仕事においてどのようなことが言えるかを考えてみます。
・道具や機材が無い = 身軽に始められる、道具や機材の習得・熟練が不要
・お金がない = 初期投資不要、低ランニングコスト
・知識が無い = 初心者でもできる
・時間が無い = 労働集約型ではなく知識集約型、レバレッジが効く
・人脈が無い = 誰も雇わない、個人完結の仕事
このように、あらゆる「無い」は、仕事においてはメリットに転換できます。ミニマリストでもできる、というのはここではそういう意味です。むしろ持たないことで、収益を加速し最大化できる仕事があります。
今回は「ミニマリスト」と便宜的に課題設定をしていますが、ミニマリストであるか否かに関係なく、副業としておすすめの仕事を、これまでの実経験を元に書いてみます。
1、撮影
まずは、撮影の仕事です。自分の経歴の中でも最も長く行なっている仕事で、現在も収益源のひとつです。
一言に撮影といっても、ジャンルや業界、分野を考慮すると結構な数の撮影仕事があります。特に日本は独自の写真文化を発展させてきた国であり、街中の写真館(営業写真)的な撮影から、報道、広告、記録と、その幅は広いです。
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撮影システムの最小単位を考える
このテーマが浮かんだ時、コンテンツ制作の最小単位を考えるというタイトルが最初に浮かんだ。しかしそれだと範囲があまりに広くなってしまう。撮影システムの外側にコンテンツ制作という大枠があるわけで、何を作るか、何を表現するかという前提をもとに、自分の撮影システムを考えていく順序がいい。
僕の発信の根底にはブログがある。ブログ時代から読んでくださっている人には、今もその流れを汲んでいることがバレていると思う。このメンバーシップも有料ブログやnoteがベースにあるし、実はYouTubeやPodcastも、メディアは違えど、ブログなのだ。もっと言えばそれは日記であり、日記というのはあらゆる表現に展開され得る。(純粋日記というより、日記的、手記的であるということ)
ブログ時代の撮影システムはシンプルだった。写真さえ撮れれば良かったのだ。カメラが1台、レンズが一本あって、それにクリップオンストロボを追加するか否か、くらしか悩むポイントは無かった。
ブログ時代の撮影機材。SLにメッツのストロボを合わせていた時。 ブログは写真が重要だ。ジャンルによっては写真の重要性が低いコンテンツもあるが、だいたい魅力的なブログ、読みたくなるブログ、また訪れたくなるサイト、圧倒的なPVを稼ぐサイトは、文章同様に写真が強い。鑑賞媒体がスマホ主流で、SNSベースの拡散モデルがまだまだ健在の現代において、ビジュアル表現にコストを投下することは、ブログ運営を行う上では長期的に高いROIとなる。
しかし、ブログから、受託型の映像制作や写真撮影や、YouTubeやポッドキャストへと広がっていくと話が変わってくる。今回は話しを簡単にするため、受託型の撮影系の仕事については考えないことにしよう。
ブログ、またはブログ的表現、YouTube、Podcastや音声配信系、そのような個人でもできるような、ほぼ全てのコンテンツ制作に対応できる、撮影システムの最小単位を考えてみたい。
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脱クラウドストレージ – 写真整理と管理のミニマル化
クラウドストレージへの依存は、毎月の使用料、シンクの遅延、ネット環境必須、大量バッチ処理不向き、情報漏洩リスクなど様々な問題がある一方で、物理的記憶デバイスからの解放、分散型バックアップによるデータ保存の安全性など利点もある。何よりミニマリストにとっては、HDDやSSDなど物理的デバイスやケーブルを減らせることが魅力的で、長らくクラウドでのデータ管理システムを構築し運用してきた。持たない、その自由さ。
しかし、今年に入ってから、クラウドストレージの長期的運用を考えた時、実はローカルでデータを扱うほうが「ミニマル」なのではないかと考えるようになった。クラウドは容量を増やすのも簡単で、データが増えたら、追加で容量を買うことによって、ほぼ無限にデータを扱うことができる。ここに大きな罠が潜んでいる。
「とりあえずクラウドにあげておこう」が毎回積み重なると、結局データ量は増え、その整理に時間を取られることになる。データ整理に時間がかかるのはローカルデータも同じだが、ローカルはサクサク感が全然違う。どのようなクラウドサービスであっても(グーグルでさえ)ブラウザやアプリ上で、データを動かして、編集するのはシンクに時間を食う。クラウドに上げれば上げるほど、将来的なデータのハンドリングに時間がかかる。特に大量の写真や動画データを扱うプロフェッショナルほど注意が必要だ。
この問題に取り組んできて、出た結論が、クラウドストレージから脱却し、ローカルに戻ること。まるでグローバル化の流れを再び過去に戻すアメリカの動きに相似するように、僕もクラウドが無かったころのデータ管理環境に戻ろうとしている。高城剛さんに相談したら、考えていたことと近しい答えが返ってきて、脱クラウド化に踏み切ることになった。ちょうど同じくらいのタイミングで、使用しているLightroomの価格が1480円に値上げされた。
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ChatGPTをあえて使わないことで起こること
メール作成、仕事の面倒な資料まとめ、インタビュー素材の形成、議事録まとめ、自己分析、ブログ、ダイエットのための食事レシピ、持ち物リストの精査(ミニマリストだけ)、悩み相談、近所の隠れた名店探し、多くの人が日常的にGPTを使うようになった。Web検索が組み込まれてからは、よりその利便性と精度が上がってきた感じがある。
一通り実験的に試してきたが、僕は書くこと、特にメンバーシップのポストやメルマガ、メールに関しては全くと言っていいほどGPTを使っていない。今もこうやってUlysessを立ち上げてタイプライターモードにしてフルスクリーンで書いている。キーボードを使ってワープロ的に書くことが好きなのだ。何もない黒い画面に、彫刻のように文章が刻まれていく様を見るために書いているところがある。それを熟成させて、サイトに持って行って、今度は白いディスプレイの中に、黒を刻む。
ただ書くことが好きなだけではない。GPTを使わないことで、起こることに気づいた。誰もがGPTを使い始めたこの時代において、これからは、いかに使わないかが求められている気がする。特に、何かものを作る人にとっては。